維新を考える。
維新と言って、僕が幕末の志士たちの様な、
大きな志を抱いて、国を変えて行こうなどと、
大それた事を目論んでいる訳では決してなくて。
今、こうして、平凡に日々を過ごせている、
僕たち国民は、確かに、近代文明の恩恵にあずかってはいるが、
それは、ただただ、偶然なのではなく、
戊辰の役にて、身体を張って倒れて行かれた会津の方々や、
五稜郭で武士としての宿世を貫きまっとうされ、倒れて行かれた方々の、
屍の上に成り立っている近代文明であり、その明治の維新の後も、
西欧列強に屈することなく、日本と言う国を守り続けて下さった、
数限りない方々の、ご尽力の上に、
今、こうして平和で居られる我々の生活が成り立っていると、
改めて、考える訳であります。
第一次大戦、第二次大戦、通じて、
戦争そのものに対しては、賛否両論、
勿論お有りでしょうが、言える事は、
そういう歴史を経て、今がある以上、
多くのおびただしい戦死者の、努力、苦悩、犠牲の上に、
今日の我々の生活基盤が作り上げられて来た。この事実は
どうやっても、曲げられない、替え様のない事実だと言う事です。
武家の台頭した時代そのままではないにせよ、
武士の魂は、今の時代の日本にも、
形を変えながらも我々の日常、の中に、
精神的遺産として、
確かに息づいている様に思えてなりません。